
生産に携わっていなくてもアパレル業界にいるなら編み物と織物の違いくらいはきちんと理解したいですよね?
・ニットとは何か
・ニットと織物(布帛)の違い
・代表的なニット素材
・ニットは重い?誤解しがちなニットの特徴
アパレル業界6年目のTomoです。
自分がアパレル業界に知識ゼロで入って困ったことを中心に記事を書いています。
今回はニットについてです。
ニットとは何か
一般的な意味で「ニット」というと「ニット帽」「セーター」「カーディガン」など目の粗いざっくりした生地のものを指しますよね?
手編みのマフラーなどはニット(編み物)の代表例ですよね。
しかし、アパレル業界でいうニットは、生地の組織を指しており、もっと広い範囲を指します。
Tシャツ、ジャージ、スウェット、靴下なども素材は基本的にニットです。
「基本的に」としたのは、最近では伸縮性にすぐれた織物もあり、織物のTシャツや、前身ごろ、脇、袖など部分的に織物を使ったスウェットなどもあるためです。
ですので「ニットパンツ」と言われてセーターみたいなスケスケふわふわのボトムスを想像しないでください笑
ニットと織物(布帛)の違い
ニット(編み物)と対になるものとして「織物(布帛・ふはく)」があります。
おおざっぱに言ってしまうと、生地はその製法で「編み物」か「織物」のどちらかに分類できます。
(本当はガーゼなどの不織布というものもあるので、あくまでもおおざっぱになりますが)
この2つは組織(糸をどのように重ねて生地にしてるか)の違いで分けられます。
たてとよこの糸を決まったパターンで重ねてシート状にしたものを織物、1本の糸をループ状にしてその間を通しながらシート状にしたものを編み物といいます。
非常に分かりにくい説明なので、編み物と織物の違いは別の記事でまとめます。
とにかく、「よく伸びるか伸びないか」「目が粗いか細かいか」などは、例外もあるので、編み物と織物の違いは「組織の違い」と覚えておきましょう。
織物(布帛)については以下の記事を参照
代表的なニット素材
鹿の子(かのこ)
ポロシャツの生地としておなじみの表面に網目上の柄が出ている素材です。
ラコステ、ラルフローレン、フレッドペリーなどポロシャツで有名なブランドはこの鹿の子にこだわりを持っており、それぞれの生地の良さがあるので店頭で見比べてみると勉強になるかもしれません。
リブ
ジャージやスウェットの袖や裾についているストライプ柄が両面に見られる素材です。
横方向によく伸びるのが特徴です。
ジャージやスウェットにこだわりを持っているブランドは、このリブの締め付け具合をとても大事にしてモノづくりをされています。
靴下
これは素材ではないのですが、靴下は丸編み(実際には専用の靴下編み機を使う)の代表例です。
別の記事でも書こうと思いますが、丸編みというのは、円形の機械で筒状に生地を編んでいく製法のことです。
筒状に編んだものを開いて1枚の生地として使うこともありますが、筒状に編んでそのままかかととつま先を成形して製品にしているのが靴下です。
実はニットは重い。誤解しがちなニットの特徴
アパレル関係の方でも生産や企画をしていない方だと、「ニット=軽い」という誤解をされがちです。
つい最近、社内の営業が「ニットを使っているのでとても軽くて…」と商品の説明をしていて愕然としたのですが、一般的には、同じ面積当たりの重さであれば織物のほうが軽い傾向にあります。
織物は一般的に伸びにくく、丈夫なためボトムスや上着に使われ、ニットは柔らかいため肌着やTシャツなどに使われることが多いために生まれた誤解だと思うのですが、ニットそのものは軽くありません。
営業などをされる際に、知らずに「ニットだから軽い」と言っていると恥ずかしい思いをする可能性もありますのでご注意ください!
最後に
いかがでしたでしょうか?
アパレル業界にいても営業職などをしていると意外とニットと織物の差がよくわからない、なんて方もいらっしゃるので、ちょっと知識を身に着けるだけで周りに差をつけることができると思います。
さらに詳しく勉強したい方にはTES(繊維製品品質管理士)の取得をおすすめします。
実務を通して学ぶことのほうがもちろん多いですし、資格がなくても仕事はできますが、勉強したことで理解できたこともたくさんあったので興味がある方はぜひ勉強してみてください。
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